ニュースを見ている時など、子どもが事件や災害に関する遊びをすることはありませんか?
火事のニュースを見て楽しそうに「うわー!火事だー!」と叫んだり、地震が起きた後に「地震ごっこ」をしたりなど。
大人としてはぎょっとしてしまいますよね。
被害にあった人がいるのに遊びにするなんて……
実は、子どもがそのようなことをするには理由があるのです。
現役保育士のノス子が、子どもが不謹慎な遊びをする時の心理と、その対応方法について解説します。
子どもが不謹慎な遊び(災害遊び)をするのは何故?
今朝、北朝鮮からミサイルが発射されたとJアラートが鳴りました。
大きな音にびっくりする5歳の息子。
「なに?なに?」と不安そうです。
テレビをつけると、ミサイルが発射されたことのニュースばかり。
しばらくすると、ミサイルは太平洋に落ちたと速報が流れて一安心。
その後、息子はミサイルごっこを始めました。
ミサイルは海に落ちるんだよ!
ばーん!どどど!!うわー落ちてきたー!!
息子はなぜ、このような遊びを始めたのでしょうか?
それには深い理由があります。
災害遊びは不安の裏返し
子どもは不安になると、その事柄について遊びにすることがあります。
しかしそれは強い不安の裏返しです。
東日本大震災の後、子どもたちが「地震ごっこ」「津波ごっこ」で遊んでいる姿が各地で見られました。
これはいわゆる「災害遊び」です。
この「遊び」は地震や津波がある程度落ち着いたころに始まります。
大人でも怖いことが起きた時は緊張状態で対処に必死になりますが、家に帰ると膝が笑ったり涙が出たりしますよね。
これは自分の安全が確保されて、感情が表出している状態です。
強い不安を感じたあとに安心できる場所に着くと、子どもも大人と同じように感情を表出します。
その方法の一つが、不謹慎に見える遊びなのです。
トラウマにならないように自分で心のケアをしている
「災害遊び」は子どもにとって、不安を遊びに変えて心を安定させる手段です。
不安で波立った心を、遊びや会話を通して自分の思いを表現することで安定させています。
大人でも辛いことや悲しいことがあったときに、誰かに話したり、紙に書いたりとアウトプットすることで気持ちを切り替えることができますよね。
子どもも同じです。アウトプットの方法が「遊び」になっているというだけです。
「災害遊び」をする子どもは、その遊びをすることで自分の心のケアをしているのです。
子どもがニュースで不安になっている時の対応3選
子どもが「災害遊び」を始めたとき、大人はどのように対応したらよいでしょうか?
子どもの不安な心に寄り添い、平常を取り戻すための具体的な対応を3つ挙げます。
見守る
災害遊びが始まったときに一番してはいけないNG行動は、「やめなさい」と叱ることです。
子どもにとって災害遊びは心のケアです。
それを取り上げられると子どもの心は不安を解消できないままになってしまします。
災害遊びが始まったときは「今は不安を表しているんだな」と見守りましょう。
息子がミサイルごっこを始めた時は驚きましたが、不安なんだろうと思い見守りました。
スキンシップをとる
災害遊びをする時、子どもは不安を抱えています。
不安な時に人と触れ合うと安心しますよね。
そこで、不安を抱えている子どもとスキンシップをとることで少しでも安心できるようにしましょう。
抱きしめたり、頭をなでたり、手を繋いだり、子ども本人が落ち着けるスキンシップをとると良いですね。
スキンシップを嫌がるときは無理せず見守りましょう。
ごっこ遊びを安心するストーリーで締める
不安を感じている子どもが一番望んでいることは、日常生活に戻ることです。
そこで災害遊びでストーリーを作っている子どもには、日常に戻れましたというストーリーに誘導してあげましょう。
息子はしばらくミサイルごっこをしていたのですが、頃合いを見計らって声をかけてみました。
ミサイルどーん!!ガガガ!!
ヒュー!ドン!ミサイルは海に落ちました。ぶくぶく~
これでもう大丈夫!安心だね。
一度では落ち着かない息子でしたが、しばらく付き合うと安心したようで、その後はミサイルのミの字も言わなくなりました。
まとめ:【地震ごっこ】災害やニュースで不安になっている子どもへの接し方3選
子どもが災害ごっこをするとき、それは子どもが不安を抱えているときです。
災害ごっこは子どもの心のセルフケアです。
そんなとき、大人としてできることは以下の通りです。
- 災害ごっこを見守る
- 抱きしめたり、手を繋いだりスキンシップを取る
- 遊びに安心できるオチをつけてあげる
大人がこのように対応することで、子どもは安心します。
災害ごっこも少しずつ落ち着いていきますよ。