「性教育」と聞いて、あなたはどんな内容を思い浮かべますか?
保健体育の授業でならった
- 男女の体つきの違い
- 生理
- 受精の仕組み
など、様々な内容が思い浮かぶと思います。
しかし、性教育は保健体育で習う内容だけでは足りません。
ノス子はネット記事で「性教育は幼児から」という記述をみて驚いたことがあります。
幼児に性教育って、どういうこと?何を教えるの?
疑問に思った私は幼児期の性教育について調べ、こちらの本と出会いました。
正直「SEX」の言葉にぎょっとしてしまい、買うことを一瞬ためらってしまいました。
しかし、やわらかいイラストと「一番やさしい」の言葉に惹かれ、思い切って購入。
とても読みやすい内容で、幼児期からの性教育について理解することができました。
この本を読めば、どんな風に子どもに性教育を行えばいいのかが分かります。
そして、性教育の本質を知ることで、性教育に対する気恥ずかしさも薄れました。
『おうち性教育はじめます』のどんなところが良かったのかレビューし、大事だと思ったところを抜粋して紹介します。
『おうち性教育はじめます』のレビュー
『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方』は親が子どもに性教育をするために
- 性教育とはどんなことを教えればいいのか
- どんな心構えが必要なのか
- 具体的にどうすればよいのか
などを優しく教えてくれる本です。
こちらの本を読んで、特に良いなと思った点を3つ紹介します。
マンガなので読みやすい
育児に忙しくて本を読む時間がない……。
日々の育児でへとへとで、育児書を読む気力なんてない。
そんな疲れたお母さんお父さんでも大丈夫です!
『おうち性教育はじめます』はマンガ形式で話が進むので、短い時間でもすらすら読めてしまいます。
詳しい解説のページもありますが、マンガの部分を読めばこの本が伝えたいことは伝わります。
とりあえずマンガ部分を読んで、時間があるときに気になる解説を読むのもいいですね。
性教育への抵抗感が緩和する
正直「性の話」って言いにくいし恥ずかしい。夫とすら話し合えるかわからない……。
いきなり自分の子どもに性の話をしなさいと言われても、抵抗感がありますよね。
そもそも、性教育という言葉だけで身構えてしまう人も少なくないと思います。
日本では性の話は基本的にタブー視されていますし、学校での性教育も十分とは言えません。
そんな環境の中でオープンに性の話をしようと言っても無理な話です。
しかし、『おうち性教育はじめます』は親の性に対する抵抗感にも寄り添ってくれる内容です。
この本は、いろいろな考え方や価値観を持ったお母さんやお父さんが、子どもに伝えたい性教育について村瀬先生(著者)に解説してもらう形で話が進みます。
性の話に抵抗感が強い人もいれば、つい茶化したくなってしまう人、伝え方に悩んでいる人など様々な価値観や悩みを持った人達が登場しているので、あなたが共感できる意見もあるかもしれません。
そんな悩める親たちに寄り添いながら分かりやすく解説してくれるので、本を読み終わるころには「性教育」への抵抗感や戸惑いが薄れていますよ。
具体的な伝え方や言葉の選び方が分かる
性教育が大事なのは分かるけど、何をどうやって伝えたらいいか分からない……。
教えてもらった経験も少ないのに、自分の子どもに性教育をしようなんて難しい話ですよね。
3歳から始めるといわれても、何を伝えればいいのか分からない!という人は多いです。
また、直接的な言葉では話したくない人も多いでしょう。
『おうち性教育はじめます』はそんな親のために、具体的な伝え方も解説してくれています。
Q&Aもあるので、下のような具体的な悩みに対しての対応も分かりますよ。
- うんち、おしっこ、ちんちんを連呼する時の対処法
- TVでベッドシーンが流れた時の対応
- パートナーが性教育に無理解、非協力的な時の対応策
また、子どもの疑問・質問に対しての解答例や、答えるときのポイントも解説してくれます。
ぼくはママから生まれたのに、どうしてパパに似てるの?
赤ちゃんってどこから生まれるの?
このような質問は言葉に詰まりやすいので、具体的な解答例があるのは嬉しいですね。
気になる項目や、同じ悩みがあったらぜひ『おうち性教育はじめました』を読んでみてください。
きっとあなたの役に立ちますよ。
『おうち性教育はじめました』は3~10歳の子どもの親向けの内容です。
そんな当書の内容から、3~6歳の幼児期に特に大切だと思った部分をかいつまんで紹介します。
性教育で身に付く3つの良いこと
著者の村瀬先生は、性教育について本の中でこのように言っています。
性教育は「いのち・からだ・健康」の学問
おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方 著 フクチマミ 村瀬幸浩
(中略)
そしてこれからの世の中を生きていく人格を育てるのに必須の「教養・知性」なんだ
難しい言い回しですが、ノス子は性教育を「自分や相手の身体や心を守るための教育」だと解釈しました。
正しい性の話を幼いころから当たり前のものとして受け止め、年齢にあった適切な情報を知ることで、自分の体の変化を受け入れたり、傷つけたり傷つけられないようにすること。
性は人間にとって切り離せないことです。
どんなに嫌でも二次性徴は起こりますし、性についての情報は正しいものも過激なものも、そこら中に転がっています。
性教育が不足していると自己肯定感が低くなったり、性被害の被害者や加害者になってしまう可能性があります。
しかし、幼少期のころから正しい性教育を受ければ、二次性徴の時の戸惑いが少なくなったり、自分に自信が持てるようにもなりますよ。
性教育を子どもに行うことで、具体的にどのような良いことがあるのかを3つ紹介します。
性的トラブルに対して回避や対処ができる
性教育に期待する効果の一番は「性的トラブルの回避」ですよね。
性教育によって適切な知識が身に着くと、性的トラブルを未然に防ぐことができます。
万が一トラブルに巻き込まれても大人に相談したり、必要な機関(警察や福祉など)に繋がれるので、被害が最小限にできるかもしれません。
また、自分やパートナーの身体や感情について知ることで、より健全な関係を築くことができますよ。
異性を気になる気持ちや好きな相手との関係の深め方・自分の気持ちの処理の仕方など、思春期の心の動きによる相手との関わり方を知ることができます。
自己肯定感が育まれる
性教育は命の大切さや、命が生まれるしくみを知るための教育でもあります。
命について知ることで、自分には価値があると思えたり、親から愛されていることを知ることができます。
自己肯定感とは「どんな自分でも存在していい」と思える力のことです。
自己肯定感が高いと、自分の存在に自分で価値を見出し、どんな時でも存在を肯定することができるようになります。
命や自分のルーツについて学べる性教育は、子どもの自己肯定感をぐんぐん高めてくれますよ。
自分の身体は自分のものという意識がめばえる
「自分の体は自分のもの」そんなの当たり前!と思うでしょうが、意外と意識できていない人が多いです。
正しい性教育を受けることで、自分の身体や性的な欲求を自分でコントロールし、自分自身で決定することが大切だと学べます。
つまり、自分自身が自分の身体の主人公であることに気づき、他人に自分の身体を支配されたり、強制されたりしないように、自己決定の意識を持つことができるのです。
「なんか嫌だけど、悪気はないから…」
「ここで拒否したら雰囲気悪くなりそう」
そんな状況の時に「NO」を言えることで、トラブルに巻き込まれることを回避することができますよ。
幼児期の性教育で伝えたいこと
3歳からの性教育って、どんなことを教えるの?
子どもに伝えたい性教育の大切な内容を「おうち性教育はじめます 」から3つ抜粋しました。
プライベートパーツは見せない触らない触らせない
プライベートパーツとは、体の中に繋がる生命に関わる部分のことを言います。
具体的には「口・胸・性器・おしり」です。
プライベートパーツについて本の中でこう言われています。
他人が(親であっても)勝手に
おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方 著 フクチマミ 村瀬幸浩
触ったり 触らせたり 見ようとしたり 見せたりしては
いけない部分
子どものおしりって、可愛くてついつい愛でてしまう。
まだ年齢も小さいし、親なのに触っちゃダメなの?
子どもの肌はすべすべで、思わず触りたくなりますよね。
しかし、可愛いからとおしりを触るのはNGです。
親子のスキンシップは大切なのですが、親子であってもプライベートパーツの扱いは注意しなくてはいけません。
「コミュニケーションなら他の方法で取ってほしい」と本でもはっきり書かれています。
なぜなら、親が意識をして線引きをしないと、子どもはプライベートパーツを触ることが好意表現の一つだと誤学習してしまう可能性があるからです。
小学生になって親の目が離れた時に、他人に体を触られても拒否できなかったり、好意表現をしたつもりで加害者になっているということもありえるのです。
プライベートパーツは人に見せたり、触ったり、触られたりする場所ではないことを伝えましょう。
幼児期のころから繰り返し伝えることで、子どもは素直にプライベートパーツを大切な場所だと認識してくれます。
その認識があれば、犯罪被害に巻き込まれそうになっても拒否できたり、大人に相談しやすくなりますよ。
たとえ親でも、お世話をするとき以外はプライベートパーツは触らない。
嫌なことは嫌と言ってもいい
子どものころ、「嫌だな」と思ったけど我慢した経験はありませんか?
ノス子が小学生だったころ、知り合いの赤ちゃんのほっぺたにバイバイのチューをしようと大人に言われ、嫌だったけどほっぺにチューした経験があります。
大人から見れば何てことのない場面なのですが、当時のすごく嫌だった気持ちは今でも鮮明に思い出せます。
些細なことでも嫌なことは「嫌だ」と言っていいですし、子どもの「嫌だ」を聞いた大人はその「嫌だ」を尊重しなくてはいけません。
人は自分の「NO」を伝えたり受け入れられる経験を繰り返して
おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方 著 フクチマミ 村瀬幸浩
自分や相手を尊重できる人間に育っていくんだ
空気を読むことが重要視されがちな日本社会ですが、「嫌だ」と感じたことを抑えていると心が鈍って「嫌だ」を感じにくくなってしまい、さらに嫌な思いをしてしまったり、重大な犯罪に巻き込まれてしまう可能性もあります。
子どもの防犯のためにも、嫌なことは「嫌だ」と言っていいことを伝えましょう。
自分を大切にすることを教えるのも性教育の一環です。
親は子どもの味方。悩みや疑問は安心して話していい
幼いころは性の話はタブーだったのに、思春期に入ってから性のことを伝えようとするのは親にも子どもにもハードルが高すぎますよね。
何事もスモールステップから始めることが大事です。
低いハードルから跳んでいくことで、将来的に子どもが性のことで困ったときに相談できる関係を築くことができます。
そのような信頼関係を築くには、まずは子どもが親から愛されているという実感が必要だと本の中で言っています。
まず子どもが親から「愛されている」と感じられると
おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方 著 フクチマミ 村瀬幸浩
相談や性の話もできるようになっていくんだよ
愛情を伝える具体的な方法としては「タッチング」と「リスニング」です。
タッチングは抱きしめたり、手を握ったりと子どもの体に触れることです。気を許している人と触れ合うとホッとしますよね。そのホッとする気持ちが大切です。
リスニングは子どもの話を聞くことです。子どもの言葉や気持ちを聞いて受け止めることで、話を聞いてくれたという安心感を得ることができます。
普段からタッチング・リスニングを意識して子どもと接することで、話しやすい関係を築けますよ
まとめ:『おうち性教育はじめます』から見る!3歳から絶対に伝えておきたい性の話
『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方』は、私たち大人の性教育に対する考え方を変えてくれる本です。
親の気恥ずかしさや、話しにくいという気持ちに寄り添って、具体的な性教育について教えてくれますよ。
幼児期からの正しい性教育を行うことで、自己肯定感が高まったり、性的トラブルを回避できたり、「NO」を言えるようになります。
防犯にも役立ちますし、子どもの将来のパートナーとの関係にも良い影響を与えてくれます。
幼児期に伝えたい性教育は以下の通りです。
- プライベートパーツは見せない触らない触らせない
- 嫌なことは嫌と言ってもいい
- 親は子どもの味方。悩みや疑問は安心して話していい
この他にも、子どもの疑問に対する回答の仕方や、具体的な伝え方、思春期になった時の接し方など様々なことが分かりやすく書いてあります。
マンガで読みやすいので、ぜひ読んでみてください。
親子の関係に関する大切なことがたくさん書いてありますよ。